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「台北で食べたあの味この味」

私は、海外へでかけるとその土地の人たちが食べている物を一緒に食べられるのが楽しみです。言葉の通じないところが多いのですがなんとかなります。食堂や屋台、レストランなどのメニューは、大概の物が「○○を□□で◇◇してある。」と書いてあります。もちろんその○○が分からないとなにが出てくるのか全く検討もつかないのでイタリア、スペインなどでは、苦労します。台湾はいいです。中国語ですから全て漢字です。豚肉なのか牛肉なのか、魚なのか、貝なのかは、よくわかります。ただ豚肉は、「猪」と書いてあります。鶏肉は、「雛肉」と書かれています。牛肉は「牛肉」です。「排骨」は骨付きの豚ロース・バラ肉です。調理方法は、「炒」は油で炒めること、「爆」は、強火でさっといためること、「溜」はあんかけ、「炸」は揚げ物、「煎」は、煎り焼きなどです。ただ、「焼」は、焼くのではなく煮ることです。「紅焼」は、煮込むことです。中華街などで紅い焼き豚をごらんになったことがあると思いますが、あれは煮込んでいるのです。切り方も「絲」は千切り、「片」は薄切り、「丁」は、さいの目切りです。そして最後に「湯」とあればスープ、「飯」とあればご飯もの、「麺」とあれば麺類、「粥」があればお粥ですね。「餃」あれば餃子、「水」が付いていれば水餃子です。「包」は、まんじゅう。味つけで「醤」は、味噌味です。これも要注意ですね。例えば「肉包」は、そうです肉まんです。ただ「雛・炒・飯」の3文字があってその他に分からない文字が混ざっていてチャーハンをイメージして注文してもご飯に鶏肉を炒めたものがかかってきたりもします。でも、野菜が食べたくて肉が出てきたりということはないので、まァいいでしょう。
 

その点屋台はいいですよ、食材が生で並んでいてそれを指さして選んで1個とか2個とか指させばなんとかなる。スープに入れてもらいたければスープを指さして、炒めてもらいたければメニューにある「炒」を指させばだいたいなんとかなる。とにかく何を食べてもおいしい。スープには、コリアンダーの葉っぱがちぎって入っていて最初は、この臭いが無くてもおいしいのにと思っていたのですが、帰るころは、これがないと台湾のスープのような気がしなくてなにか物足りない感じでした。ほとんどの料理に香辛料、漢方薬っぽいものが味つけ香りつけで使われているので、この味が苦手と言う人も多いようですが食べているうちにおいしくなってきます。また、どのテーブルにも辛味噌のようなものが置いてあってこれを好みで加えながら食べるように味つけをしてあるようです。唐辛子の苦手な僕もだんだんとその辛味噌を加えるようになっていました。とにかく、おいしいものばかりでした。その中でも「排骨湯」おいしかったですね。豚肉のロースの部分を骨付きのままぶつ切りにして数種類の香辛料と煮込んでいるものです。茶色い壷をたくさん並べてぐつぐつと煮込んでいます。スジは、すっかりやわらかくなっていて肉もスープもおいしかったです。1人前50$NT(220円位)。

豚のひき肉を醤油味で煮込んだものを白いご飯にかけたもの、牛丼の豚ひき肉版というかんじのものです。これは、クセもなくどなたでもおいしく食べられると思います。1人前25$NT(110円くらい)つみれのスープ、小骨が少し混ざっていますが良く噛めばなんの問題もありません。コリアンダーの葉っぱをいれてもらっておいしかったですよ。1人前35$NT(150円くらい)。とにかく安くておいしい1人で夕食を食べたときは、牛肉の炒めご飯と雛鶏のつくねのスープと野菜の炒めもので1人前160$NT(700円くらい)かなりのボリュームでおいしいです。大食のぼくでも全部食べるのがやっとでした。「臭豆腐」というのがあって文字どうり臭い。このお店の近くに来るととにかくむせかえるような臭さです。お豆腐を発酵させたものを油で揚げて酢漬けの野菜をあんかけにして食べるのですがこれは参りましたね。口に入れているうちに飲み込めなくなるかと思うほどでしたが、辛味噌を少々つけて食べると食べられるんです。

おいしいんですよ。

旅をおいしくするのは、何事もトライですね。カキと芋餅のオムレツこれにピンク色のフルーツソースのようなこってりと甘いソースがかかっていて辛味噌を付けて食べるおいしいのですがとにかく甘すぎる。いわゆるレストランには、入らず屋台ばかりだったのですが安くておいしい食生活でした。士林というところに毎晩夜市がたちます。洋服、雑貨、茶器など道狭しと並んでいます。とにかく人の出るところでなにか商売してみようという台湾気質?

台湾パワーを感じます。銀行のキャッシュカード申し込みコーナーまであるんですから驚きです。

士林には、屋台村の様なところもありいろいろな物が食べられます。鉄板焼き屋さんがあって炒め物もステーキも揚げ物でさえも目の前の鉄板で作ってくれます。少しづつ食べてとにかく食べ歩きです。胃が疲れたりお腹いっぱいのときは、「苦茶」かなりにがい。胃薬より苦いが楽になる。楽になったら食べ歩き。ちなみに僕は、2杯飲んで食べ歩きの後もう1杯のんでかえりました。とにかく士林にかぎらずどの屋台に入っても、路店にはいってもおいしいのでなるべく安くて地元のお客さんのいっぱい入っているところで食べ歩いていました。どの料理も片栗粉でとろみを付けているのも台湾の特徴かもしれませんね。そうそう、豚の血を固めてきなこみたいのにつけて食べるのがあったのですが、ぼそぼそしていて今一でした。香港の路店のお粥やラーメンもおいしかったですが、また別の味ですね。どちらかというと台湾の方が日本の中華に似ているような気がします。「港式」と言って香港風のお店もありますが結構高いので入りませんでした。「台湾屋台万歳」です。幸いか当然かどの料理も火がよくとおっています。だから、安心して食べられます。

 

町には、マクドナルドがやたらと多く若い人たちや家族連れで賑わっていました。セブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニにもきれいな冷蔵ケースに洋風のサンドウイッチやパン、ケーキなどがたくさん並んでいました。(有名コンビニではどこでもビールもお酒も売っています。台湾ビールが20$NT 90円くらいキリン一番しぼりが45$NT 200円くらい、台湾ビールがおいしいので僕はいつも台湾ビールです。屋台には、あまりビールなどお酒は置いていません。)10年前台北に住んでいた大城(私の先生的友人。)は、「最近は、屋台が減った。」と嘆いていました。徐々に減って来ているのでしょう。昔の東京を見ているような気が何度もしました。子どもの頃商店街で遊び回っていた頃を良く思い出しました。
 

台北の食文化にも近代化と西洋風のかぜが強く吹いていてなかに入る人たちは、古来の食文化の大切さには、盲目になっているような気がしてなりませんでした。現在、台湾には、O-157は無いでしょう。でも、いつか発生するときが来るような気がします。いい意味で不衛生が食中毒を増殖させていないでしょう。食中毒病原菌が少ないとはとても思えません。人間の内臓がそれなりの免疫と抵抗力をもっているのがよくわかります。肉屋さんにも魚やさんにももちろん八百屋さんにも冷蔵ケースはありません。保存用の小さい冷蔵庫が奥のほうにあるだけです。まな板に並べられて売られている肉。氷の中で売られている魚、地べたにならべて売られている野菜や果物。肉は、乾ききって大丈夫だろうかと思うほどですが地元の主婦達は、当たり前に買っていきます。そのようなお肉屋さんでの価格などは分かりませんがかなり安いことは間違いないでしょう。でも、行政の方向性も手伝って冷蔵ケースのお店、賞味期間の表示、衛生設備の指導が順次行われていくことでしょう。いい悪いは、別として少し寂しい気もします。


外人居住区付近の高級スーパーマーケットには、冷蔵ケースにトレーパックされた肉が陳列され、魚もケースに陳列されたいました。豚肉大国の台湾の高級スーパーマーケットの豚肉の価格は、ロース¥120/100g、バラ肉(三枚肉)¥110/100g、もも肉¥110/100gくらいでした。少し堅そうでしたがどの豚肉もきれいないい豚肉でした。とにかく豚肉は、安い。

若鶏肉(雛肉)は以外に高く、もも肉¥120/100g、骨付きもも肉¥110/100g、ささみ¥130/100gくらいと豚肉より高いくらいでした。牛肉も高価でした。日本の大手ハムメーカーは自社の豚肉処理工場を台湾に持つほどの豚肉大国でした。去年台湾の豚に、恐い伝染病が流行かなりの量を輸入していた日本では、それ以後いっさいの台湾からの輸入はなくなりました。現在では、韓国からの輸入が増えてきています。豚肉は、台湾の花形産業でしたので鶏肉、牛肉にくらべかなり安いのでしょう。それでも台湾国内の豚肉も随分減ったと聞いています。ただ、町中の屋台のメニューは、昔も今もかわらないようです。日本から見た豚肉大国は、日本から見たものなのかもしれません。台湾の豚肉事情に詳しい先生が高崎にいらっしゃいます。

今度、機会あればうかがってきたいと思います。