沖縄の食文化に浸る 2007

沖縄の食文化に浸る

 秋を感じるようになった10月10日の最終便で沖縄・那覇に入りました。

着ていた薄手のブレザーが、着ていられないほどの暑さ。ホントに暖かいんだ。と空港から街へ向かいました。国際通りというメインストリートのど真ん中のホテルに荷物をおろし、早速夜の那覇へと食事にでかけました。観光客がお土産屋さんを覗いたり、夕食後の散歩で夜11時近くだとういのに、賑わっている。数年前から那覇で暮らしている兄に地元の人たちが通うおいしい安いお店に案内してもらいました。

今回の目的は、「沖縄の豚肉文化を体験する。」だから、まずは、オリオンビール(沖縄のビール)を注文。

 

「豚肉文化が発展しているところは、どこもビールが旨い。」ドイツ、イギリス、台湾、沖縄、私の持論です。

沖縄の豚肉には、皮が付いている。日本にはめずらしく、「ゆはぎ」という処理方法である。沖縄には、独特の豚肉文化がある。昔、阿佐ヶ谷の沖縄料理屋さんのマスターにいろいろな沖縄の豚肉料理を教わったときは、とても強烈だった。特にスーチカ(塩漬け豚三枚肉)、とチイリチィは、凄かった。

 

ラフティー(豚肉の角煮のようなもの)、そうめんチャンプルーに、ジーマミー豆腐などなど、どれもこれもうなるほど旨い。そして、ホントに安い。驚くほど安い。

久しぶりにゆっくりと兄と話していたら2軒目を出たのが3時半。

 

翌朝、レンタカーを借りて、豚肉の流通現場を見に出かけた。肉屋さんが仕入れにいくような問屋街は、いまもう無くなっていました。ぼくたちが、見られる市場は、街中の公設市場だけになってしまったようです。

次は、食肉センター(と殺場)です。ここで、皮付きの豚肉が処理されるのです。日本のほとんどの施設と大きく異なる部分は、ここです。海の見えるハーブ園のレストランで昼食をとることにして、見学は午後にした。海の近くには、珍しく、おいしいお水でつくられているんだなとよく分かるお料理で満腹になり、食肉センターへ向かいました。

 

レストランの庭からの景色

太平洋側のそのうみは、遠くまで浅瀬の珊瑚礁がひろがり、遠くのあるラインにサワサワと白い泡の小さい波がたつところから向こう側が深くなるのがよく分かります。引き潮がはじまったお昼近くでは、その深さの差が海の色にあらわれとてもきれいでした。

 

想像以上に大きな食肉センターでは、午後の作業が始まっていました。

いろいろな都合により、現場のなかまでは、入れませんでしたが、要の「湯はぎ」の部分だけはしっかりと見せていただきました。ザッツ沖縄豚肉文化!です。

ドイツ、スペイン、イタリアなど現在でもほとんどのヨーロッパで行われている湯はぎ・皮付き豚処理方法は、日本では、ここ沖縄では健在です。

 

<兄に送った御礼のメールの一部>

沖縄の豚の処理や文化が独特で物流も想像以上に独特で、びっくりした。皮付きの豚が当たり前に処理されているということは、日本のなかでつづけることは、とても大変なこと、それを通している沖縄の豚肉業界は、その他の流通までを含む豚肉文化全てがオリジナルなんだなぁ。と帰りの飛行機のなかで深く実感しました。スゴイことだね。お見事です。

詳細まで書くと、難しい話になってしまうが、もも肉の形や分け方などは明らかに日本のほとんどのそれとは、違う。日本、ヨーロッパ、アメリカと豚肉の流通をみてきたが、初めて見た。

もしかしたら、台湾、中国でみたときには、沖縄と同じようなことをしていたのかもしれないが、気が付かなかった。

 

車を街に向けて走りながら、那覇で一番大きいお肉屋さんを覗いた。スーパー形式っぽくなっているお肉屋さんには、個人用?と思うような商品もたくさん並んでいた。

沖縄の一般的な豚肉をはじめ、沖縄県産の銘柄豚と有名なあぐーもあった。

売られている商品が微妙に違う。最初は、どういうことかよく分からなかった。

この後に、公設市場に出かけてお肉屋さんからいろいろな話を聞いて分かってきた。

国際通りから延びるアーケードの商店街のなかにある公設市場。肉、魚、野菜、乾物から調味料まで食材が所狭しと売られている。2階には、簡易な食堂も並んでいる。1階の魚屋さんで魚を買って2階で調理してもらうこともできるらしい。

公設市場のなかには、お肉屋さんが5・6軒ほどあった。ゆっくりと歩いているあちらこちらから声をかけられる。豚の頭から足先まで食べられるところは、しっかりと全部売っている。

お肉屋さんには、いわゆる対面ケースがあり、そのなかに肉が陳列されているが、驚くのは、そのケースの上だ。生肉がケースの上に裸で陳列されてる。半袖1枚でも暑い市場のなかで、この光景を日本で見るとは、びっくりした。

中国、台湾、香港では、お肉屋さんに冷蔵ケースが無いのが今でも一般的だ。大きなまな板の上に処理した肉が並べられ、そのまな板の上に並んだ肉からお客さんが選んで買っていく。冷蔵庫で冷やした肉よりもこの方がおいしいという習慣がある。

その考え方が、沖縄の市場のなかに残っている。

あまり見かけない切り方の豚肉のブロックの使い方などをきいていると、豚肉をおいしく残さずに食べる方法が当たり前にできている。

例えば、ウデ肉のブロック(肩三角の部分)が、あちらこちらで販売されている

。これは、多くの家庭で皮付きのかたまりのままボイルする。肉は、ラップに包んで冷蔵庫で保存され調理の度に使われる。肉をボイルした出汁は、スープになる。

ドイツの家庭でも似たような豚肉の使い方をする地方がある。長いあいだ、豚肉と共に暮らしてきた沖縄の豚肉文化は、やっぱり本物だった。

旨そうな皮付きの三枚肉を少しとあぐーの三枚肉を買って東京に送ってもらった。いろいろと遊んでみよう。

 

夜ご飯は、地元で人気のイタリアン居酒屋ナハマヤーに案内してもらった。

沖縄スタイルのイタリアン料理、どれもこれも、旨い。兄の友人も集まってくれて沖縄のいろいろな話をきかせてもらった。また、夜は深く深く続いた。

 

短い時間だったが、沖縄の豚肉文化にどっぷりと浸かってきた。濃い深い沖縄訪問でした。また、機会をつくって出かけたい。沖縄のみなさん、楽しい旅をありがとうございました。

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