バスクを目指す食の都めぐり<9-最終目的地ビルバオへ-最終回>

ビルバオへ移動。

随分深く楽しんだサンセバスチャンからビルバオへ移動。お世話になった通訳君ともここでお別れです。彼は、電車で次の地へ。ぼくは、バスでビルバオへ移動。バスターミナルと駅が隣なので駅まで一緒に移動してわかれた。「ありがとう。おかげでとっても楽しく有意義にサンセバスチャンを深く楽しめたよ。」

                別れ際の通訳君。↓ 随分カジュアルな出で立ちだ(W)

                  10:30発のビルバオ行き。↑ ほとんど待つことも無く乗れた。

バスターミナルに降りるとまもなく出るビルバオ行きがあった。そう言えば、ビアリッツからバスでこのターミナルに着いたのが4日前のこと、あっという間だった。6社ほどのバス会社がここのターミナルで発着している。発車10分前からそれぞれの会社の窓口でチケット発売開始。指定席だった。海側の窓側の席だった。街を眺めながら山々を超える景色を楽しんだ。1時間弱でビルバオのバスターミナルに到着。ここも2泊ほどしたかったのだけど強行スケジュールの犠牲になって1泊。荷物をおいてシャワーと寝るだけ、明日は早朝から空港へ移動なので、宿泊は安価なペンションスタイルを選んだ。日本のペンションとは、少し違う。アパートの一部を改装して宿泊施設になっている。建物の扉は、アパートの住人と供用。まずは、外から呼び鈴を押して建物のドアを開けてもらいなかへ、次に2階のペンションの入り口の重々しい雰囲気のドアも呼び鈴をおして中に入る。小さな受付があってチェックイン。部屋の鍵、ペンションの入り口の鍵、建物の鍵を3本預かる。夜は、スタッフはいなくなる。何かあったら携帯電話へ連絡をください。とのこと。ほぼベッドが占領している部屋は、きれいに改装してある。シャワーもトイレもきれい。快適だ。なんの問題も無い。

早速、ビルバオ散策。ここでは、半日しか時間が無い。まずは、グッゲンハイム美術館へ、工業都市として栄えたビルバオだが近年の重工業の衰退により不況にあえいでいたビルバオがアートで再生するフランク・O・ゲーリーが設計してビルバオの再生に一役かった建築物。メタル素材の硬質な外観と自然の空気感の内側、奇抜ながらも街の風景に溶け込んでいる。後ろ側にある橋を一部吸い込み不思議なブリッジと一体感がある。河原の緑あふれる公園ともなんの隔たりも無く調和がとれている。時間が無いので展示物は見なかったが、内外を一周回ってゆっくり見た。気になる食材ショップなど見ながら街のなかへ戻った、お腹がすいた。

考えてみれば今朝からほとんど食べていなかった。おいしそうなバルを見つけて軽く腹ごしらえ。バケットにチーズと生ハムをトッピングしたサンドイッチとビール。おいしくってもう少し食べたかったけど、なんだかすごく混んでいて退散した。街をうろうろとしているとシャッターが降りはじめた。シエスタだ。なるほどおいしいバルは混んでるはずだ。空いてるバルを選んでビールで小休止。

どちら方向に歩こう?市場?スタジアム?デパートの食品売場?などと考えながらビルバオを散歩。時間が短すぎる今度は、2泊以上しよう。あっ!思い出した。唯一頼まれたオリーブのスキンクリーム。スペインにしか売っていないらしい。とても調子が良いとスペイン好きに好評のクリーム。サンセバスチャンには、お店がなかった。唯一のチャンスの今日。お店の場所を調べてたどり着くとシエスタでお休み。オープンは30分後。やはりお腹がすいているので、近所のバルでバケットにトマトペースト塗って生ハムどっさりのせて(Pan con tomate y jamon bellota)でオープン待ち。明るいが確実に夕方。重いクリームを部屋に置いて夕食へ。ランチをしたおいしかったバルへリベンジ。未だ明るいが8時過ぎ、まだ、そんなに混んでいなかった、スペインの夜は遅い。カウンターの真ん中に陣取り、指さしオーダー、そして黒板のメニューにどうしても気になる1品が、フォアグラとキノコのソテーにマッシュポテトのムースと書いてある。黒板を指しながら読み上げると通じた。小さなスキレットにマッシュポテトのムースのなかにフォアグラのソテー、生卵も添えてある。パンが欲しいので大きめのパンがついたピンチョスを頼んだ。旨い!最初は、フォアグラとキノコのソテー、次にマッシュポテトのムースを添えて、次に卵をつぶして混ぜて、、、最高だ。想像以上においしい。気がつくとビールもワインもかなり進み、お腹も満たされていた。店内もかなり混み合ってきた、潮時だ。おいしいビルバオに出会えて良かった。

ミュンヘン経由で帰国の途へ

バスク最終日。宿の近所から空港行きのバスにのりミュンヘン経由、ミュンヘン空港でビール。妙に落ち着く、行きのフランクフルト空港もそうだった、案内図を見ないで進める。あそこでビールの飲もうとイメージできる。やはりドイツには慣れたんだなぁ。とつくづく思う。

毎年のようにヨーロッパを訪ねる、このような1人旅、同業の友人と2人旅、団体で視察旅行、いろいろなカタチでいろいろなところでヨーロッパの食文化を学ぶ。いつも、思う。この旅行の思い出に新しいメニューを作ろう。今回は土地柄のせいか肉づくしではなかったけど、どんなメニューができるのだろうか?みなさまにご案内するのが楽しみです。